これからの介護職~介護ロボットとの共存~

介護ロボットの導入例を紹介

介護ロボットの現状とこれから

少子高齢化が進んでいることもあり、介護業界は慢性的な人手不足に悩んでいます。介護士1人ひとりにかかる負担も大きく、丁寧なケアを実践したくても難しい状況です。そのような介護業界の切り札となるのが、開発が進められている介護ロボットです。介護ロボットを導入することで介護の現場はどのように変化するのでしょうか。

導入例を見てみよう

表れた効果は?

介護士の負担を軽減するために導入

介護士の負担を軽減するために導入

実際に介護ロボットを導入したある施設を例に挙げて導入前後の変化について見ていきます。
この施設は100人規模の特別養護老人ホームで、要介護度が高い人もたくさん入所しています。「当たり前のことを丁寧に行うこと」を理念としており、入所者1人ひとりに向き合った介護を提供しています。丁寧な介護を実践するということは、介護士1人ひとりにかかる負担も大きい、ということです。介護ロボットを導入する前は、夜間の見回りは1時間ごとに行っていたため、介護士の身体的・精神的負担は相当なものでした。「介護士の負担を軽減するために」と腰痛軽減効果のある移乗支援ロボットを導入しましたが、あまり活用できていなかったそうです。
介護ロボットで苦い経験をしたのにもかかわらず、この施設では見守りロボットを新たに導入することにしました。なぜまた介護ロボットを導入しようとしたのでしょうか。それには、施設で働いている介護士たちの意識の変化が大きく関係しています。

再び導入を決意した理由

入所者1人ひとりに丁寧なケアを行うには介護士が精神的にも身体的にも余裕を持つことが大切だ、として腰痛軽減効果のある介護ロボットを導入したわけですが、実際に導入してみると、介護ロボットを操作するのに時間がかかり、介護士自身が行った方が早いとして徐々に使用しなくなったそうです。しかし、このままでは介護士はもちろん、入所者にも良い影響が出ないとして新たな介護ロボットの導入を決意しました。

導入後の変化

新たに導入したのは見守り支援ロボットです。丁寧なケアを心がけていたこともあり、施設では夜間の見回りを1時間ごとに行っていましたが、介護士が訪問することで興奮してしまい睡眠の妨げになってしまう入所者もいました。外の明かりが漏れて起きてしまったり、人が入ってくることに恐怖心を抱いてしまう人もいたのです。安心して眠れるようにと見守り支援ロボットを導入しました。
見守り支援ロボットは脈拍と呼吸数が測れるため、扉を開けて直接様子を確認する必要はありません。訪問の回数が減らせるため介護士の負担が減り、入所者の眠りを妨げることもなくなったのです。
カメラのようなデザインということもあり、はじめは「監視されるのか」と警戒していた入所者もいましたが、理解が得られるまで言葉を尽くし、今では入所者のほとんどの部屋に見守り支援ロボットが設置されています。

過剰に期待し過ぎない

見守り支援ロボットを導入することで介護士と入所者、双方に良い効果が表れましたが、導入しただけで介護士のストレスを軽減し、施設内の事故を減らすことはできません。介護の質を向上する手立てのひとつが介護ロボットの導入なのです。このことを理解していなければ居心地良く過ごせる施設にはならないでしょう。

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