これからの介護職~介護ロボットとの共存~

介護ロボットには2つの市場がある

介護ロボットの現状とこれから

少子高齢化が進んでいることもあり、介護業界は慢性的な人手不足に悩んでいます。介護士1人ひとりにかかる負担も大きく、丁寧なケアを実践したくても難しい状況です。そのような介護業界の切り札となるのが、開発が進められている介護ロボットです。介護ロボットを導入することで介護の現場はどのように変化するのでしょうか。

市場の動きをチェック

将来性の高い介護ロボット市場にはたくさんの企業が参入

2つの市場

2つの市場

介護ロボットの市場は大きく分けて2つあります。「介護施設向け」と「在宅介護向け」です。国も介護ロボットの普及に力を入れていますが、対象としているのは介護施設向けです。これは、「まずは介護のプロである介護士に活用してもらい、それから徐々に広めていく」という思惑があったからです。しかし、当初考えていたよりも普及が進んでおらず時間がかかっています。

在宅介護では福祉用具の方が広まっている

介護施設向けの介護ロボットは業者の直接販売や代理店による販売などがありますが、在宅介護向けの介護ロボットの流通の仕組みは残念ながらまだ整っていないため個別で購入する必要があります。通販サイトや新聞広告などに掲載されているものから選んで購入する、という形です。そのため、在宅介護では介護ロボットよりも福祉用具の方が普及しています。福祉用具とは個人が介護保険を使ってレンタルもしくは購入するものです。要介護、要支援と認定された利用者が、ケアマネジャーから「これはどうですか?」とすすめられ、紹介先の業者から利用者本人がレンタルしたり、購入したりするのが一般的です。

開発には多くの企業が参加

遅々として普及が進んでいない介護ロボット事業ですが、開発自体は多くの大手企業や中小企業が参入し進めています。大手企業には大きな資本があるため、これから先の成長が期待できる介護ロボット市場に参入するのは分かりますが、なぜ中小企業も参入するようになったのでしょうか。それは「ものづくり補助金」など中小企業向けの補助金が豊富に揃っているからです。
しかし、開発が進んでも普及しなければ意味はありません。そのため、販売事業にも力を入れていますが、そもそも介護業界は介護保険制度の下で動いています。何かと補助金などの公金頼みの事業展開となっているため、介護ロボットの購入に関しても「補助金が出るなら介護ロボットを購入する」と補助金を当てにしているケースが多いのです。公費で買うとなれば、現場のニーズに沿ったものよりも国の支援事業の一環で開発されたものを導入することになります。本当に必要なものでなければ導入することに否定的になっても仕方がありません。

盛り上がっているのは「見守り支援ロボット」

さまざまな企業が参入している介護ロボット開発ですが、今のところ競争が激化しているのが見守り支援ロボットです。大手企業や中小企業、個人事業主など多くの企業が製品を開発しています。
しかし、その一方でニーズが高いのに参入企業が少なくて開発・普及が遅れているのが「移乗支援ロボット」です。装着型ということもあり、見守り支援ロボットに比べると開発が難しいからかもしれません。現在は海外製品の方が多く現場に導入されています。

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