これからの介護職~介護ロボットとの共存~

介護ロボットは目的別に種類分けされている

介護ロボットの現状とこれから

少子高齢化が進んでいることもあり、介護業界は慢性的な人手不足に悩んでいます。介護士1人ひとりにかかる負担も大きく、丁寧なケアを実践したくても難しい状況です。そのような介護業界の切り札となるのが、開発が進められている介護ロボットです。介護ロボットを導入することで介護の現場はどのように変化するのでしょうか。

いくつかの種類がある

介護ロボットの種類一覧

「移乗支援ロボット」

「移乗支援ロボット」

このカテゴリーに分類されるのは、マッスルスーツやアシストベッドなどです。要介護者をベッドから車椅子などに移し換えるのは体力を必要としますし、中腰で要介護者の全体重を支えるため腰を痛める可能性もあります。このような負担を軽減するのに役立つのが移乗支援ロボットです。

「移動支援ロボット」

このカテゴリーに分類されるのは、移動の負担を減らしたり、移動距離を延ばしたりする際に使われる電動歩行アシストカートなどです。自力で移動できない人が移動しやすくなるようにサポートする介護ロボットです。

「排泄支援ロボット」

ベッドサイド水洗トイレなどがこのカテゴリーに分類されます。尿や便などの排泄物を感知して、排泄物の吸引、陰部の洗浄や乾燥、排泄物の処理などを自動で行います。

「見守り支援ロボット」

要介護者の心拍や呼吸を感知して転倒などの非常事態が起きた時に専用の端末にアラート音などで知らせたりする機能を持つ介護ロボットです。見守り支援ロボットは用途に合わせて種類がたくさんあります。

「入浴支援ロボット」

自力で入浴するのが困難な要介護者が簡単に安心かつ安全に入浴できるようにサポートする機能を持つ介護ロボットです。浴槽に直接取りつけるタイプやリフト型になっているタイプなどいろいろあります。

「機能訓練支援ロボット」

効率的な機能訓練をサポートする介護ロボットのことです。会話などでコミュニケーションを取り、機能訓練を受ける要介護者の意欲を引き出します。

「服薬支援ロボット」

服薬支援ロボットは、決まった時間に正しい容量の薬が取り出されたかどうかをチェックして介護士に通知し、薬の飲み忘れや飲みすぎなどの間違いを防止する機能を持っています。

「認知症セラピー支援ロボット」

認知症介護の負担を軽減することを目的として開発された介護ロボットです。認知症の人向けのセラピーや会話支援などの機能があり、不穏な行動を抑制します。

「食事支援ロボット」

このカテゴリーに分類されるのは、マイスプーンなどのように食事の介助が必要な人が自力で食事ができるようにサポートする介護ロボットです。

「口腔ケア支援ロボット」

口腔ケアとは要介護者の口腔環境を改善するために行う介助のことです。歯磨きや噛み合わせの調整などがこれにあたります。要介護者の状態を見ながら1人ひとり丁寧に行わなければならないため、口腔ケアにかかる労力は大きく、人手不足の施設や事業所では負担になってしまいます。しかし、口腔ケア支援ロボットを導入すれば、そのような負担を軽減することができます。

「介護業務支援ロボット」

掃除や洗濯、調理、記録といった身体介護以外の業務を行う介護ロボットのことです。ルンバなどのお掃除ロボットもこのカテゴリーに分類されます。一般家庭にも広く普及しているため、介護ロボットとしては違和感があるかもしれません。しかし、介護業務支援ロボットとは介護を行う人の負担を減らすためのロボット全般を指しているため、ルンバも介護ロボットの一種なのです。

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