これからの介護職~介護ロボットとの共存~

介護ロボットが広く普及するためにクリアしなければならない課題とは

介護ロボットの現状とこれから

少子高齢化が進んでいることもあり、介護業界は慢性的な人手不足に悩んでいます。介護士1人ひとりにかかる負担も大きく、丁寧なケアを実践したくても難しい状況です。そのような介護業界の切り札となるのが、開発が進められている介護ロボットです。介護ロボットを導入することで介護の現場はどのように変化するのでしょうか。

普及の現状と今後の課題

開発者の設計思想と現場のニーズにズレが生じている

まだ実用化には辿りついていない

まだ実用化には辿りついていない

介護ロボットの普及のために国もさまざまな支援を行っていますが、依然として実用化には至っていません。なぜ介護の現場では介護ロボットの導入が進んでいないのでしょうか。それには3つの理由があります。

「期待している性能が搭載されていない」

1つ目は、現在開発されているロボットでは介護士の負担を補うほどの性能はない、ということです。業務をスムーズにこなすためには他の部分との兼ね合いも重要です。複雑な作業ができる技術が優れていても、他の部分の邪魔になるようでは意味がありません。また、作業を多くこなせるように複雑化するということは、その分コストや開発の時間がかかりますし、機器自体の質量も重くなってしまいます。重くて装着できないとなると使い勝手が悪いため、手軽に使えなくなります。

「現場とのズレ」

介護ロボットの普及が遅れている一番の理由が「現場のニーズとのズレ」です。実際に介護をしている介護士が本当に求めている機能が実装されていないため、使い勝手が悪く導入に至らないのです。介護士は複雑な作業ができる技術よりも実用性の高い機能が搭載されている介護ロボットを欲しています。「メーカーによって得手不得手がある」「設計上の都合」などもあるかもしれませんが、開発者の設計思想と現場のニーズが一致していなければ介護ロボットの普及は遅々として進まないでしょう。

「介護ロボットに対する理解が遅れている」

これは実際に介護ロボットを使う側である介護士に求められるものです。介護ロボットの開発・普及が進められていますが、扱う人によって介護ロボットの理解度に差があります。介護ロボットが使いにくい理由は必要な機能が実装されていないこともそうですが、そもそも介護ロボットを使いこなせていないことも理由のひとつです。扱う人の知識が深まれば、本来の機能を活かすこともできるはずです。

課題をクリアする対策は?

このような状況を踏まえて、国は支援体制をより一層強めることにしました。まずは、「高機能」「高価格」「少量」という従来の介護ロボット開発は現場のニーズとズレていたため、これからは「シンプル」「安価」「大量」を掲げた開発を推進したのです。つまり、現場のニーズを考慮しながら「使いやすさ」と「コストカットの追求」を進めていく、ということです。
また、介護ロボットは直接人の身体に触れて介助をアシストするため、安全面にも配慮しなければなりません。安全性を強化することも指針に盛り込み、「安全」「性能」「倫理」の3つの基準をクリアしたものだけを現場に導入することにしました。

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